大阪生活

大阪生活の記録

コストコのピザ

スーパーでコストコのピザを買った。たまたま入ったスーパーでコストコフェアが開催されていたから。ご存知の通りコストコのピザは大きくて安い。僕が巡り合ったピザは1600円の4割引。たぶん1000円程度だろうというアバウトな計算を脳内で済ませてから買うか否かを考えた。ピザは余りにも大きく、箱のままではとても冷蔵庫で保管することはできない。魚貝類の載せられたカラフルなピザの賞味期限はその日の24時。だとするとラップに包んで冷凍するか、一回で食べ尽くすかの二択になる。ピザは一回り大きな四角い箱に入っていて、売り場にはもう一つしか残されていなかった。いや、正確には目の前で一枚持ち去られたから残り一つになったと言うべきか。

午後5時過ぎの時点で残り一つになったピザ。だんだんとピザが可哀相に見えてきた。あと数時間も経たないうちに処分されてしまう大きなピザ。朝はあんなにたくさんの仲間と一緒に並んでいたのに、たまたま一番下に居たせいで君だけ売れ残ってしまったなんて。ここでぼくが買わなかったら、有象無象と一緒にポリ袋に詰められ翌朝のゴミ捨て場に並ぶんだろう。

数分後、ぼくは大きなピザと横に置いてあった同じく大きなティラミスを両手にスーパーをニコニコで後にした。幸いお腹は空いているし、ピザは食べきれなくても翌朝温めれば食べれるだろうし。ティラミスはよくわからないけど甘いから好きだし。バスに乗るほどではないけれど相当に遠いスーパーで買ってしまったから、家までの道のりは30分近くかった。練習帰りにこの大荷物はしんどい。

さてその夜、見事に一枚のピザはお腹に収まっておりました。自分の顔と同じくらいの熱々のピザを口いっぱいに頬張れるのは幸せだ。横にあるタバスコをこれでもかとピザに振りかけて味の変化を楽しむこともできるし、素材の味を楽しみたければそのまま食べることもできる。ピザで頭がいっぱいになってたからビールを買い忘れたのが痛かったけど、きっとビール飲んでたら食べきれなかったからヨシ。大きなピザが入っていた段ボールは小さく折りたたまれて翌日のゴミに出すとしましょう。さてティラミスも食べますか、といったあたりでとても眠くなり、なんと9時半に寝ました。

朝起きるとチーズの付着したピザの箱、中身の残ったマグカップ、ピザの脂の付いた日経新聞、ありとあらゆるものがそのまま保存されていた。祭りの後というか、楽しかった昨晩の思い出のようなものが残されていた。そうしてぼくはティラミスを少しだけ気分が悪くなるほど食べてからワイシャツに袖を通し、当日着任予定の新人はどんな人だろうかと思いを馳せながら歯を磨いた。そうしてジャケットの上からマウンテンパーカーを羽織って、しばらく手入れしていない革靴を履き、鍵と定期を確認して家のドアを開けた。今週もやるしかない。