大阪生活

大阪生活の記録

Joy Springを弾けるようになった話

学部時代から「いつかはJoy Springが弾けるようになりたい」という話をしていた。Joy SpringはClifford Brownの演奏で有名な曲で、8小節ごとに半音ずつ転調していくちょっと難しいやつ。サックスとトランペットのカルテットでやったら大受け間違いなしの曲なんだけど、半音の転調は管楽器だったりピアニスト的には結構嫌なんです。

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完成度が微妙だったこの前の兵庫のライブが終わってからも、この曲だけは少しずつ練習していた。平日家に帰って寝る前のちょっとした時間にピアノに向かって、コードの構成音を1つずつ確認して……という地味な作業を続けた結果、それなりに弾けるようになった。特にBメロのG♭の部分、これが本当に格好いい。コードもアドリブも、ちゃんとジャジーな音になってくれて弾いてる本人も驚いている。

時間のある学生時代に、もっと時間をかけて一曲一曲を練習するべきだった。けれどこうして社会人になってからもたまにはピアノに向かい、基本に立ち返って練習できることはあまり期待していなかっただけに嬉しい誤算でもある。ここ数ヶ月でぼくは間違いなく以前よりピアノが上達している。仕事で成長を感じることはあまりないだけに、こういった趣味的な分野の進化は嬉しい。

ジャズは感覚じゃなく、理論の占める割合が非常に大きい音楽だと改めて感じた。どの音を抜いて、どの音とどの音をぶつけて微妙な雰囲気を出すかということを瞬時に判断して指に反映するといった一種のスポーツ的な要素もあり、それでいて他のプレーヤーの音をコピーして自分のものにするという勉強的ない一面もある。

セッション時には反射神経も必要だけど、それ以上に大切なのは練習量と勉強量、それに聴き込んだ量に素直に比例する音楽がジャズだと思う。まだ死ぬまで時間はあるし、コツコツ聞いてコツコツ練習してコツコツ勉強していこう。60歳でピアノを弾ける格好いいジジイになるのが夢だから、あと35年、やってやろうじゃないか。