大阪生活

大阪生活の記録

時をかける少女

昨日の夜、初めて「時をかける少女」を観た。アニメ版じゃなくて実写版の、尾道が舞台になってる方。アニメ版はもう何度も観た。主人公の女の子が可愛くてあ〜〜ってなった高校時代、大学時代を思い出す。ショートカットって良いよね。 

それはそうと、どうして今まで「尾道三部作」を観てこなかったんだろう。尾道は学生時代から毎年のように行っている場所なのに……

それはいい。尾道を舞台にした映画だって聞いてたからそれはもう正座しながら観ましたよ。でもあんまり見知った景色が映らない。Wikiで調べた。尾道よりむしろ竹原市がメインの撮影場所だったみたいだった。ブチ切れた。違うじゃん!ぼくの見たかったのは35年前の尾道で、35年前の竹原じゃないよ!!

とか思ってたけど、展開が進むにつれてロケ地なんてどうでもよくなってきた。なぜかというと、この映画が撮影された当時の風俗をそのまま再現していたとしたら、これは随分貴重な資料なんじゃないかって気づいたから。まず第一に言葉遣いが今とは違う。女性・男性で話し方が全然違う。それから高校生なのに顔つきが大人らしいし、体格も今よりがっしりしてる人が多い気がする(これはキャスティングによるものが大きいかもしれないけど)。そんでもって体操服が某高校のみたいに真っ白で吸水性の悪そうな素材だし、女の子はブルマ履いてる。

主人公達は蔵みたいなのが敷地内にある家に住んでるし、というかそもそも事件が起きるのが「土曜の午後の理科室」だし、霊柩車が車じゃなくて車輪のついた神輿みたいな形してるし。もっとも霊柩車のくだりはあの辺りの文化によるものかも?それにしても、軽率に人の家に上がったり、軒先でお茶を飲んだり、庭で焚き火したり、今とはちょっとだけ違う生活をしていた可能性が高い。

それからこの「時をかける少女」は35年前の作品なので、今の映画と比べると分かりにくい点が多いように思う。セリフを聞いているだけだと意味がわからなくて、ちょっと考えると分かるみたいな表現。一昔前の映画にはよくあったやつ。あとはCGというか多重露光というか、今ではもう見られなくなった表現もたくさんあった。だからといって安っぽく見えるかというとそうじゃなくて、むしろ今より怖かったりドキドキしたり。

いやあ、観てよかった。気が乗らない作品だったけど、一回観てしまったら次の大林作品を見るしかなくなってきた。次は「転校生」か「さびしんぼう」だ。順番的には真ん中の「時をかける少女」を観ちゃったから「転校生」だ。これはしっかり尾道がロケ地らしいし、なにより尾道三部作の一作目、大林宣彦の原点らしいから観るしかない。絶対に聖地巡礼してやる。

この「転校生」、あらすじをちらっと見た感じ男女の入れ替わりモノらしい。男女の入れ替わりモノって言ったら思い出すのが「君の名は。」でしょう。今回見た「時をかける少女」のラストシーンは、新海誠の「秒速5センチメートル」を思い出させてくれた。でもきっとあの表現はよくある表現なんだろうな。「秒速5センチメートル」は二人の間にあるのが線路だったのに対し、「時をかける少女」の場合はまさに時間。そういう意味では「君の名は。」に近いかもしれない。

何を言っているんだ。自分でも分からなくなってきた。

でもまあ興味がある人はこの「時をかける少女」チェックしてみてください。2006年公開の細田守監督の「時をかける少女」と微妙に世界が繋がっているので。気づいたときは鳥肌ブワーですよ。それから2010年に公開された「時をかける少女」の主人公は一作目の「時をかける少女」の娘らしいよ。これも観なきゃ。1997年に公開された「時をかける少女」もどうせなら観ちゃおう。いやぁ映画っていいものですね。

今日で一生分の「時をかける少女」タイピングした気がする。