適当なホームセンターで買った鍋と、切れ味の良さそうな包丁で今日までやってきた。生きている限り毎日楽しく過ごせるわけなんてなくて、気分が沈むときも腹が立つときもある。特に最近は蒸し暑く、朝からこれといってやることもなく、気づくと夕方まで何も食べずに過ごす日もあるわけで、そういった現状を打破すべく意識的に台所に立ち食材に向き合うようにしている。先日美味しいカレーを作るために手にした料理本(生まれてはじめて自分で買った)の掲げる「美味しく」、かつ「短時間で」というコンセプトは今のところしっくりきていて、今まで以上に料理におけるプロセスの最適化を意識するようになった。適度な達成感を味わうことのできる料理という行為は嫌いじゃないかもしれない。
カレー以外にも青唐辛子の佃煮を作ってみた。以前書いた「いちや」の付け合せで出てきたようなものを目指したけれどちょっと違った。方向性としては間違っていなかったが、なにせ水分量が少なすぎた。次回に期待したい。
仕事みたいに責任を負わずに済む料理は好きだ。美味しいし、味変だって好きなタイミングで可能だし。下準備を効率よくこなせるようになったし、Aという作業に移るためにBを適切なタイミングで切り上げ、Cという準備を同時並行で進め……とあれこれ考えながら手を動かすのが面白くて。優先順位付け、準備と片づけを並行して進めて、在庫確認及び棚卸し(=冷蔵庫の中の食材の状況)、調達(=買い物)。つまり現場作業(=調理)のことだけ考えていても全然間に合わないわけだ。
金とか派閥とか納期とか、そういうのから距離を置いて目の前の食材と包丁と鍋に向き合うことのできる料理という行為。できれば続けていきたいが、果たしてどうなることやら。